音空間事業本部 牧野 和裕、岩渕 淳
1. コントロールルーム
柱状拡散体『Acoustic Grove System』(AGS)の導入例として、ドキュメンタリーの5.1chサラウンド番組制作を主体としたダビング・スタジオを紹介する。安定した音像定位と、チャンネル間の自然な音のつながり、またカバーエリアの広いサラウンドモニター環境の構築のため、側壁、後壁、下り壁に音響的なバランスを考慮してAGSを配置している。さらに、AGSによるキメ細かい自然な室の響きと、立体的で"森のような奥行き感"をイメージさせる視覚効果により、ストレスのない作業環境と高い居住性を確保している。また、ミッドモニターのスピーカスタンドにもAGSの要素を取り入れ、脚部を太さの異なる柱で構成することにより、スピーカ台の剛性を高めるとともに、室内音場面で拡散性の向上も狙っている。
2. コメンタリーブース
ロケ現場で収録されてきたアンビエンス音とマッチングの良い、癖のない響きを持ったナレーション収録ができる音場を目指し、任意で可動できるAGS簡易型『Sylvan』を壁に埋め込んだデザインを採用。プログラムやナレーターの声質に合わせ、Sylvanの配置をアレンジすることで、様々な現場でのバックグラウンド音と馴染みの良い音声の収録を狙った。
Control room : rear
Control room : front
Commentary booth
システム機器 Console : Solid State Logic C300HD Main monitor : NES211S(T)*5, NES100LFE*2 Mid Monitor : GENELEC 8040A*5, GENELEC 7070A*1 Digital audio processor : Dolby Lake Processor Projector : Panasonic TH-DW7000-K Screen : Screen Research ClearPix2 120inch |