当社では、材料の音響特性を評価するために必要な測定システムの開発・販売に加え、それらの測定システムを用いた受託試験サービスもご提供しております。音響材料特性評価のエキスパートが、試験の目的等をしっかりヒアリングさせていただき、お客様のニーズに合った試験サービスをご提案の上、最適なアウトプットをご提供いたします。
垂直入射吸音率測定システム WinZacMTXは、音響管を用いた垂直入射吸音率および垂直入射透過損失の測定をWindowsベースのPCで実現します。測定には高性能オーディオインターフェイスを使用し、ソフトウェアで全ての分析器を構成しており、FFTアナライザなどの専用ハードウェアは不要です。
WinZacMTXは、ISO 10534-2、ASTM E1050、JIS A 1405-2(吸音率)、ASTM E2611(透過損失)に準拠した測定を行います。
測定・分析は、高性能オーディオインターフェイスをフロントエンドとする、Windows上のソフトウェアで全て実行可能です。特別な専用FFTアナライザ、ノイズジェネレータは必要ありません(※1)。
※1:パワーアンプ、マイクロホンアンプは必要です。
垂直入射吸音率や垂直入射透過損失をはじめ、伝達関数、複素音圧反射率、(基準化)比音響インピーダンスの測定をサポートします。また、材料の局所作用を仮定したランダム入射吸音率の推定も可能です。
さらに、2種類の背後空気層での測定(two cavity method)を行うことにより、多孔質材料の特性インピーダンス、伝搬定数、実効密度、体積弾性率の推定が可能です。
弊社の音響管では主要な周波数帯域(100Hz〜5,000Hz)を、単一の音響管を用いて一度に測定することができます。異なるサイズの音響管とサンプルによる複数回の測定の必要がないため、データの不整合が起こらず、サンプルの用意(切り出し)や測定にかかる工数も大幅に削減できます。
10,000Hzまでの測定に対応した、内径15mmの音響管をオプションでご用意しています。
1/3オクターブバンドで垂直入射吸音率を表示
アクリル製のサンプルホルダ
ソフトウェアは、もともと音響管計測に詳しくない初心者の方でも簡単に使用することができるようになっています。ハードウェアには、音響管のサンプル支持部に透明なアクリルを採用。サンプルの装着状態を測定中も目視で確認することができ、誤ったサンプル装着による測定ミスを大幅に低減します。
標準の音響管とは別に、特別な仕様の音響管に変更した場合にも、音響管の断面形状や寸法など、ソフトウェア上での簡単なパラメータの変更により対応可能です。
サンプル支持部を透過損失測定用オプション管に置き換えることにより、ASTM E2611で規格化されたサンプルの垂直入射透過損失の測定ができます。
独自に開発した緩支持サンプルホルダを用いることで、従来から問題となっている、サンプルの弾性による板振動が吸音率測定結果に及ぼす影響を大幅に低減することができます。
WinZacMTXソフトウェアは、他社製音響管にも対応しております。お持ちの音響管や引き続き使用可能なハードウェアはそのままに、ソフトウェアだけをWinZacMTXに更新することも可能です。可否につきましては、お気軽にお問合せください。
標準管 | 低域対応管 (オプション) | 中高域対応管 (オプション) | 高域対応管 (オプション) |
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内径 | 直径 40 [mm] | 直径 100 [mm] | 直径 29 [mm] | 直径 15 [mm] |
測定可能周波数範囲 (参考値(20℃)) |
200~4,900 [Hz] | 50~1,900 [Hz] | 350~6,800Hz | 500~10,000[Hz] |
測定方法 | 伝達関数法(ISO 10534-2, ASTM E1050, JIS A 1405-2(吸音率), ASTM E2611(透過損失)準拠) | |||
音響管 | ・形状:円形 ・標準試料支持部(サンプルホルダ)材質:アクリル製(透明) ・オプション品:垂直透過管、緩支持ホルダ ※ 音響管の縦置設置可能 ※ その他、カスタム仕様につきましてはご相談ください |
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測定可能音響特性 | ・垂直入射吸音率 ・音響透過損失 ・複素音圧反射率 ・比音響インピーダンス ・特性インピーダンス ・伝搬定数 ・実効密度 ・体積弾性率 ・伝達関数 ・伝達マトリクス ・ランダム入射吸音率(推定値) ・音響透過損失(推定値) |