音空間事業本部 佐古 正人、田中 渚

1. 概要

ピアニスト 吉川 隆弘様のコンセプトを形にするため、当社の経験や技術を結集し、気兼ねなく演奏ができ、自然な響きを実現したピアノサロンが完成した。

2. お客様の声

演奏家にとって、練習をする場所の音響はとても大切です。音を鳴らした直後に鳴った音を聴くというプロセスが「音楽をする」という行為の大きなパーセンテージを占めるからです。演奏をするということは、頭の中に出したい音(音程、音量、音色など)があって音を出すことだ、とも言えなくもないのかもしれません。どのような動きをしたらどのような音が出るか、ということを理解して、いつも出したい音が出るようになるのも勉強の一つです。1つ目の音を出したすぐ後、2つ目の音を出す前に、1つ目の音がどのように鳴ったかを聴くことは、2つ目の音を出すための重要な手がかりになります。

ヨーロッパでは、特に音響について考えられていない場所でも「響き」があるということが珍しくありません。日本の家庭や音楽大学の練習室、スタジオなどではむしろ響きのなさ過ぎる環境が多いようです。コンサートホールや劇場の事情は逆で、ヨーロッパよりも日本の方が残響の長いところが多いように感じています。

この度、スタジオをプロデュースする上で、自然な響きのある空間になるように心掛けました。日本音響の佐古様をはじめ皆様には本当にお世話になりました。恐らく、これで出来上がり、という状態はなく、今後も何か気が付いたら手を入れていく、所謂Work in progressという感じですので、これからもどうぞよろしくお願い致します。

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Acoustic Grove System(AGS)
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