
音空間事業本部 根木 健太 牧野 和裕
1. 概 要
日本を代表するオーケストラであるNHK 交響楽団が常用する演奏所に、Acoustic Grove System(AGS) が導入された。フラットタイプのANKHが舞台背面の凹面と、山谷を繰り返すサイド壁の谷部に2 段に積み上げ設置された。
年間通じて数多くの公演をこなす同楽団にとって、リファレンスとなる演奏所に対する要求水準も高く、導入前にはデモンストレーションが入念に行われた。
2. オーケストラ・メンバーの声
NHK 交響楽団の練習で使用している演奏室に対して、一部の演奏者から環境改善を要望され、吸音材の製作や反射板を使った対策などを検討していましたが、課題が多く実現には至りませんでした。
そんな時に日本音響エンジニアリングを紹介され、壁面に拡散体を設置して演奏者の意見を聞きながら数回場所を変えて実験したところ、次第に改善傾向が見られ、楽員からも好評を得るようになりました。
「良くなった気がします。もっと極端に増やしながら調整していくのもいいかもしれません。」
「もやもやとして曇った状態が減って、聞きやすくなりました。」
「劇的に変わりました。嫌な響きがなくなり、タイミングが合わせやすくなりました。」
「ヴァイオリンの音が以前よりちゃんと聞こえ、タイミングのずれが減った気がします。」
「演奏しやすくなったと思います。周りの音が聞こえやすくなりました。」
練習では様々な曲目を演奏をする中で音を確認し、現在の配置で導入することにしました。


