音空間事業本部 柿沼 誠、堀井 理恵、崎山 安洋、出口 公彦
Studio-A Control Room
1. はじめに
"テレビ朝日ミュージック"様は、その名が示す通り、テレビ朝日の関連会社で、アーティストの発掘・育成・マネージメント、音楽レーベルの運営と著作権管理などを手掛けている音楽出版社です。以前より自社スタジオを設置されていましたが、今回、本社に程近い地に新スタジオを新設されました。 この新スタジオ計画にあたり、2度のスタジオデザインコンぺが実施され、2008年の年の瀬12月28日に正式依頼のお話をいただきました。それまでコンペに関わったプロジェクトメンバーは、『良かった、良かった』と飛び跳ねて喜んだ記憶が昨日の如く思い起されます。
新スタジオのKey Wordは『Live・Diffuse』、デザインイメージとして海外スタジオの写真が数多く提示されました。これまでの日本のスタジオにとらわれない意匠と音響が求められたのです。
受注後もデザインの検討と打合せを繰返しながら、2009年2月に工事着工、約7ヶ月間...同年8月無事竣工を迎えました。
本記事では、弊社で担当させていただいたスタジオエリアについて、提案・実験・検討を繰返しながら施工された各スタジオを写真と共にご紹介いたします。
その前に・・・全体のスタジオ像を把握していただくため、簡単にスタジオの配置を説明いたします。
4層構造の鉄筋コンクリート造の建物の中に、3つのスタジオ(1つはリハーサル可能)が配置され、各スタジオのコントロールルームではMIX&ダビングが可能となっています。
地下フロア全面にメインの大きなスタジオ-Aとブース、コントロールルームを配置。階高が約4.5mと高いことから、スタジオ天井高さは3.7mを最高に、平均的に3mを確保できました。これは音響上も、内装デザイン上も大変有効ですが、実際にお客様からのマスト条件でもありました。
エントランスフロアを挟んで、その上階にはスタジオ-Bとブース、コントロールルームがあります。スタジオフロア間に1層挟んでいる室の配置は、音を扱うことが目的のスタジオ同士のアイソレーションに大変有利です。当たり前のことなのですが、設計段階から室の配置についてはよく考えなければなりません。
さらにその上階には、スタジオ-M、歌詞を書くための個室などが配置されています。その他、各スタジオには、ラウンジやミーティングルーム、オフィスや倉庫などが付随して機能的に配置されています。
それではさっそく各スタジオを紹介していきましょう。
2. Studio-A
メインスタジオでお客様が実現したかった音響空間とは、『均一で優等生的な特性ではなく、スタジオ各エリアにおいて様々な響きを演出する』ということでした。仕上素材に石材や可変式の拡散パネルなどの複数の素材を使用することによって残響時間や周波数特性を変化させること、また様々な録音形態に対応できるフレキシブルなブース構成などが挙げられました。
各エリアやブースについては後述しますが、その特徴ある建築デザインにより、幅広い音作りができる響きが得られており、全体として、バランスが良く、抜けの良い、自然な響きのスタジオを構築できたと自負しています。
遮音に関しては、上階(1階)の交通騒音などの外部騒音の影響を考慮して、天井・壁・床を防振ゴムで防振支持した「完全浮構造」としています。 特に遮音壁の室内側には表面が硬く音の反射性もよい材料を貼り、遮音と同時に室内の響きにも一役買っています。これらは、スタジオ-Bやスタジオ-Mも同様です。
Studio-A
2.1 Control Room
ラージモニターとしてのスピーカはGENELECの1034Bで、5.1chサラウンドを構築しています。ミキサーポイントに対して、5chのスピーカの音響軸の高さと距離が同じになるように、ITU推奨のレイアウトにしています。アンプは、操作性を考慮して、それぞれのスピーカの下部に配置しています。サブウーハー(GENELEC 7073A)は正面窓の下に配置し、低音域での定在波の励起を軽減する為に室のセンターからずらした位置に配置しています。天井には、大きな台形の吸音パネルを、高さに変化を持たせて配置し、空間に立体感を与えるデザインであると同時に、内部の吸音スペースを確保しています。また、プロジェクター及び電動サウンドスクリーンを設置し、映像を見ながらのMIX作業も可能にしています。後壁には柱状拡散体(以降AGSと表記)を設置し、室の隅角部での音の溜りを軽減し、抜けの良い音と、サラウンド時の音のつながりの向上に寄与しています。
2.2 Studio
スタジオのスペースは、メインフロア及び各ブースを使用して最大2管編成のオーケストラが入る程度の広さを確保しています。その中に大きな回転扉を設けてエリア分けし(写真2奥エリアが"Live Zone"、手前が"Neutral Zone") 、それぞれ室内の響きも分けて使用できるようにしています。扉は4枚吊で引戸と回転扉を組み合わせた「パニックオープンドア」を設置しました。この扉は31dB/500Hzの遮音性能がありLive Zone ⇔ Neutral Zone間でセパレートが必要な録音の時に使用します。
Studio-A パニックオープンドア開放時
Studio-A パニックオープンドア閉鎖時
Live Zone
ドラムが置かれているエリアの壁に凹凸の大きい石を貼り、床も石貼りとしています。その左側に配置されるブースの前の壁仕上は珪藻土塗りとし、反射面を多くしてライブな空間を創り出しています。天井高さはスタジオ内で最高の3.7mを確保、気持ちの良い空間となっています。天井からは、凸面にカーブしたアクリル板を吊り、ワイヤーで高さと角度の調整が出来るようにしています。実際にドラムを叩いた感じをお客様に聴いて頂いた上で最終的な吊り込みをしました。
Live Zoneの石壁と連続する壁面には音場の変化をつけるために<反射>⇔<拡散>で可変する棚を設けています。大きな曲面(凸面)型の<反射面>と、細いリブをランダムに配置した<拡散面>が、表裏に設けられたパネルとなっており、扉のように開くと逆の面を出せる構造で、楽曲等や録音する対象によって音場を簡単に変えられるようにしています。
Neutral Zone
このエリアは特に歌が気持ちよく歌えるような音場を目指しています。天井・壁はクロス仕上の吸音面が中心で、コントロールルームを見る窓の下はレンガを積んでいます。厚みのあるレンガで「古煉瓦」を採用しました。天井高さは3mあり天井面からはリブ材をランダムに吊り、高音域の拡散に寄与しています。また、Live Zoneと同様に壁に音場可変パネルを設けていますが、こちらは細いリブをランダムに配置した<拡散面>とクロス仕上の<吸音面>を表裏に設けて、中高音域の響きの微調整が行なえるようにしています。
2.3 Piano Booth
天井高さは3mあり、スタインウェイのフルコンサートモデルが入る広さです。天井・壁ともクロス仕上の吸音面が中心ですが、デザイン上、Live ZoneやNeutral Zoneの音場可変パネルが組み込まれている棚と同じ形状の棚を壁一面に設置しています。実用としての収納と音の拡散の効果をもたらしています。
Studio-A Piano Booth
2.4 Drum Booth
ドラムをセパレートして録音するためのブースです。天井・壁共クロス仕上の吸音面とし、フローリング仕上の床の上にカーペットを敷いてややデッドな音場とすることで、Live Zoneとの違いを明確にしています。裏の外部階段との遮音を確保するために、既存扉とは別に二重に防音扉を設けています。これにより室内からの音漏れを防ぐとともに、外部からの騒音の侵入を防いでいます。
Studio-A Drum Booth
2.5 Vocal Booth
壁に、縦リブをランダムに配置した拡散面とクロス仕上の吸音面を適宜配置し、小さいながらも自然な響きをもつブースとなっています。
Studio-A Vocal Booth
Studio-A 音場可変パネル(拡散面)
Studio-A 音場可変パネル(反射面&吸音面)
2.6 Amp Booth
通常は壁に収納されていますが、座って演奏するような"和モノ"の音を録る時に活躍する「可動式畳床」が設置されています。開いた時には、奥壁の凸型三角錐の塊が拡散を、また両側壁の窓下腰壁にAGSを設置して、小さいブースで起きやすいブーミングを防いでいます。また、沖縄の楽器として有名な"三線(サンシン)"を録ることもあるとのことで、そのパルシブな音の録音に効果を発揮することを狙っています。
Studio-A Amp Booth(畳使用時)
Studio-A Amp Booth(畳格納時)
2.7 音響調整
スピーカの導入にあたり、ツィーターとスコーカーのユニットの向きの検討を行いました。ミキサーポイントに対してスピーカが窓上になるため、ラージモニターの音響軸を下げる必要がありました。そのため、ウーハーが上になるように設置することはすぐに決定したのですが、音響軸を決定するツィーター+スコーカーのユニットをどの向きで設置するかが、検討課題となりました。スピーカのユニットの位置関係は、音響軸を決定するだけでなく音質・音色に非常に大きく影響しますので、試聴した上で決定しました。弊社試聴室にデモ機を導入し、実際のコントロールルームの条件と近くなるように角度と距離、ウーハーの向き等を調整して設置しました。その上で、ツィーター+スコーカーのユニットの向きを上下変えて試聴を行いました(ツィーターとスコーカーのユニットが同じ板に接続してあるのでそれを上下逆にしました)。その結果、音像のつながりや低音域~高音域の連続性等を確認し、ユニットの向きが決定しました。
次に音響調整についてですが、5chのスピーカの傾斜角度と距離がミキサーポイントに対して全て同じになるように揃えてから、実際にリスニングしながら音響調整を行いました。正面のバッフル壁の内部の吸音材や反射面を調整して、音像を明確にし、定位感を向上させながらも、音像の移動に伴うつながりや連続感を捉えることが出来るようになりました。スピーカの背後で低音域の音量感を調整し、音の立上りのスピード感の向上を図っています。これらをエンジニアの方に聴いて頂きながら調整を行い、満足していただくことが出来ました。
また今回は、天井の高い位置に照明器具が付くことから長寿命により球切れの交換の少ない「LED器具」を採用しています。コントロールルーム、スタジオ、ピアノブースのベース照明がこれに当たりますが、発熱量の低減による空調の熱負荷の省力化にも寄与しています。 調光機能を設け、演奏スタイルによって空間演出ができるように、照明パターンをボタン一つで再現出来るようにしています。スタジオの"Neutral Zone"でも、凹凸のある音場可変パネルを上下から照らしたり、Amp Boothの奥の壁にもLEDを採用しており、効果的な空間の演出を実現しています。
3. Studio-B
地下のメインスタジオの次に大きいスタジオで、ブースとコントロールルームが隣接した配置になっています。運用する上で、<コントロールルーム+スタジオ+ブース>だけでなく、<コントロールルーム+ブース⇔スタジオ>というように二つの別々のプログラムを同時に行うことが考えられるため、また、直上にスタジオ-Mが位置するため、上階への遮音も考慮しなくてはなりませんでした。リハーサルとして使用する時は、特に発生音が大きくなることが予想されますので、事前に旧スタジオ使用時の音圧レベルを測定し、そのデータを基に遮音構造を決定しました。固定遮音壁は165kg/㎡もある非常に重い壁とし、建物の構造を保つため下階で梁補強しています。また、浮遮音天井・壁を自立させた独立構造に、さらに天井を二重にして上階のスタジオへの遮音を行っています。竣工時の遮音測定では、スタジオ⇔ブース間で80dB/125Hz、3Fに対しても75dB/125Hzを確保しており、別プログラムの同時運用が可能になっています。
Studio-B Studio
3.1 Studio
長手の片方の壁面に鏡を貼り、天井と壁の約半分をクロス仕上の吸音とし、残りの壁半分には「多孔質セラミック吸音レンガ」を使用しました。スタジオには、使い勝手上、素材の耐久性が求められます。この吸音レンガは弊社としても初めての採用でしたので、事前に実際の施工に近い状態を現場で再現し吸音率の測定を行いました。その上でカタログデータとも比較しながら、現場での詳細な仕様及び施工方法を決定しました。床のフローリングも、より耐久性の高いパーケット材を使用しています。地下と違い階高が低いため、可能な限り天井高さを確保したデザインとし、室の中央部分には擬似梁を設け、空調のサプライダクト兼用で、積極的に利用しています。また、スタジオ全体を一室として使用するだけでなく、ブースとして3つの空間に分割して使用出来るように、壁の一部に通常は収納された可動間仕切パネル機構を採用しています。仕切られたブースの遮音性能は、スタジオ⇔パネル内ブース間で38dB/500Hz、パネル内のブース⇔ブース間で42dB/500Hzあり、可動式の遮音パネルとしては充分な遮音量を達成しています。
3.2 Control Room+Booth
2chステレオのみの運用を行うスタジオです。コントロールルームからブースを見る窓が右側に、対称の左側に外部に面した窓があります。実はこれらの窓の左右のクロス壁(窓と同じ高さ)の中にAGSを設置しています。これにより窓ガラスによる反射面や窪み形状による音の溜りの影響を軽減しています。後壁にも、スタジオ-Aと同様、AGSを設置しており、最終ページでまたご紹介しますが、室の隅角部での音の溜りを軽減し、抜けの良い音と明解な音像の定位に寄与しています。スタジオ-Bのある2Fは地下に比べて階高が3.6mと低いため、仕上天井の高さを段階的に変化させてデザイン上も低く感じないようにすると同時に吸音スペースの確保をしています。特にブースは折上げ天井を高く設けることで、狭い室内での圧迫感を感じさせません。また、ブースの腰壁の一面にリブを設け、デザイン上のアクセントとすると同時に高音域の拡散を図っています。
Studio-B Control Room
Studio-B Booth
3.3 音響調整
導入したスピーカはMusik 901Kで旧スタジオからの移設です。純正スピーカ台(スチール製)を使用するか、弊社オリジナルの木製スピーカ台を使用するか、事前に試聴していただきました。音質・音色だけでなく操作性も含めてご検討いただき、弊社のスピーカ台を採用していただきました。音響調整についてですが、正面にスタジオを見るための窓があり、その上に液晶モニターTVを設置しています。まず、窓の前にカーテンを設けることとし、液晶モニターもやや下向きに角度を付け、これらからの影響を低減することにしました。その上で左右のスピーカの角度を揃え、リスニングしながら音響調整を行いました。その結果、周辺の低音域のモードによる影響を軽減することが出来、明解な音像と定位感を向上することが出来ました。
4. Studio-M
5.1chサラウンド及び2chステレオモニターの環境、Pro-Tools対応のコントロールルームとブースからなっています。このフロアも階高が3.55mと低いために、デザイン上も室内音響上も工夫が必要でした。雰囲気のある内装や家具の提案をしていきました。特に、床材は木肌の美しさとスタジオに適した強度のある、カリンのフローリング材を使用し、ヘリンボーン貼りとすることで、重厚なインテリアをよりグレードUPさせています。
Studio-M Control Room
4.1 Control Room
ミキサーポイントから見て右側にブースを見る窓がありますが、反対の左側は廊下です。しかし、音響上の対称性を確保するために何も見えないガラスだけの窓をダミーで設けています。その窓より前方のスピーカ側の両側壁にAGSを設置しています。これはスタジオ-Bと同様に、窓のガラスによる反射面や窪み形状による音の溜りの影響を軽減しています。
また、スタジオ-A・Bと同様に後壁にAGSを設置しています。最終ページをご覧ください。天井高さの確保にはいつも悩まされますが、ここでも空調用の天井内チャンバーのスペースが必要でした。基本的には明るい色の天井として低さを感じさせないデザインとし 、吸音スペースのほしい編集卓周りは一段下げてポイントのえんじ色系を用い、立体的な形状となるようにしました。壁に使われている木の色は、スピーカに合わせて着色するなどして落ち着いた雰囲気で全体をまとめることができました。
4.2 Booth
ブースは2室に区切ることが出来るように扉を設けており、通常は壁内に納まるようになっています。閉めたときの遮音性能は20dB/500Hzあり、可動衝立程度の遮音量です。ヴォーカルとアコースティックギターを同時に録音する場合など、セパレートが必要な時に使用します。壁の扉にリブを設け、デザイン上のアクセントとすると同時に高音域の拡散を図っています。
Studio-M Booth(扉開放時)
Studio-M Booth(扉閉鎖時)
4.3 音響調整
コントロールルームに導入するスピーカはMusik 900A、サブウーハーは同社BASIS 4Kとなりました。やはりここでも、弊社オリジナルの木製スピーカ台を採用していただきました。正面のCchスピーカの上にある液晶モニターTVをやや下向きに角度を付け、それから5chのスピーカの角度と距離がミキサーポイントに対して全て同じになるように揃えてから実際にリスニングをしながら音響調整を行いました。サブウーハーの置く位置を平面位置だけでなく高さも変え、低音域のモードの影響を確認しながら、最適な位置を探しました。
調整の結果、スピーカ周辺の低音域のモードによる影響が軽減でき、明解な音像と定位感を向上させながらも、音像の移動に伴うつながりや連続感を捉えることの出来る音場とすることが出来ました。その他、スピーカの設置方法にも、もう一加えして音質の最終調整を進めていきました。
コントロールルームの音響調整においては、スピーカの設置環境やそのキャラクターの違い、また空間の特徴の違いにより、その部屋ごとの調整が必要です。今回も3つのコントロールルームがあるため、それぞれの部屋において、エンジニアの方々の理想とする音場に近づけるよう、そして御満足いただけるまで調整を行ないました。
5. AGS(Acoustic Glove System)
今回のスタジオデザインでは、意匠と音響の両面からDiffuse sound field(拡散音場)の考え方を核として、当初から設計が進められました。海外のスタジオでも、ディフュザー(音響拡散体)を取入れたデザインは多く見られます。ディフューザーとして、弊社の固有技術であるAGS(Acoustic Glove System:柱状拡散体)をControl room壁面に設置しています。Studio-AとStudio-Mとは、表面に見える形で、Studio-Bでは表面及び内蔵する形で組込みました。
録音スタジオおよびブースでは、クロス内部でCurved surface diffuser(曲面拡散体)など、数種類の拡散機構を取混ぜて組込んであります。吸音材もグラスウールに少々手を加えて、高音域で吸音過多にならない工夫が施してあります。
スタジオ各部位の材質は、どのような音とするかにより選択してあります。Studio-AのLive zoneのドラムエリア壁面は、ドラムが豪快に鳴るように質量のある石貼りです。それに対してNeutral zoneは、Live zoneより残響時間を抑え、木質系の柔らかい響きとしてあります。それぞれのスタジオおよびブースごとに収録目的に応じた響きの性格を持たせてあります。一番大事なことは、低音域から中高音域までのバランスが良いことです。そのために、音響仕様通りに施工しますが、完成後に若干の音響調整を施すことにより、より目指した音場に近づいていきます。
アーティストが気持ちよく演奏でき、エンジニアが生き生きとした音楽収録ができるスタジオとなったでしょうか。
6. おわりに
御紹介させていただいた"スタジオエリア"以外のラウンジ、スタッフオフィス、エントランスなどの"一般内装エリア"の設計・施工はコクヨオフィスシステム様が、 また、音響機材関連の設計・施工はスタジオイクイプメント様が御担当されました。
このような大きなプロジェクトに計画から設計・施工まで携わることができましたことを大変感謝しております。それと同時に音楽業界の発展に微力ながら貢献できたのではないかとも感じ、さらに音響設計の立場として、今後もお客様のサポートを続けていけるよう日々努力を続けていきたいと思います。
また、施工に関わっていただいた各業者の方々にはご尽力いただき大変感謝しております。この場をお借りして御礼申し上げます。
最後に、スタジオの益々のご発展を心よりお祈し、ここから音楽業界の新しい風が吹き続けることを楽しみにしています。
お客様からのコメント
技術ニュースに記事を掲載するにあたり、テレビ朝日ミュージック様よりコメントを頂きました。
六本木ヒルズに隣接した大都会の中心に作るスタジオは、郊外のような豊富なスペースがあるわけでもなく、さまざまな条件を満たして作れるはずもない…
でも、コンパクトで機能性がよく、しかも長時間・長期間居ても安らげる、くつろいだ家庭的な雰囲気を持ち合わせたい、そして私たちの望む最高の音を作りたい…
という“全てにおいて高機能なものを同居させる”をテーマに出発したスタジオ作りですが、この相反する過酷な要求に対して、NOEの皆さんは、その豊富な実績に基づくデータと様々なシミュレーションを礎に、現場においては職人的な感覚によって、私たちの望みをかなえるべく、根気強く、試行錯誤を重ねながら仕事にあたっていただきました。
“いい音楽が生まれる場所を作らなければならない”という使命感を私たちと共有し、確かな技術と情報、そして本物の音楽好きの情熱を持って具現化してくれたNOEのみなさん、本当に有り難うございました。
Studio-A Control Room
Studio-B Control Room
Studio-M Control Room