H 邸スタジオ

音空間事業本部  平田 昌之  佐古 正人  福満 英章

   

概 要

邸宅の地下にリハーサルルームが完成した。
外部に対する遮音仕様に関しては、昼夜を問わず演奏やレコーディングしたいという要望に応えるため、住居エリアに音や振動成分が伝搬しない様、浮構造を採用した。これにより、建物外部はもちろん住居内への音漏れの心配もなくなった。
ドラムエリアとピアノエリアの間には、遮音機能を持たせた大型の折れ戸を計画した。これにより扉を格納したときに無駄なスペースを必要とせずに、部屋をひとつの空間として使用することもできれば、折れ戸を閉めることでドラムエリアをブースとして他の楽器の影響を受けずに演奏・収録することも可能である。
音場対策として、ドラムエリアには、ドラムの音をうまく拡散させるために重量のある石材を傾斜をつけて敷き込んだ。さらに、低音域をコントロールするために、石壁の上部と両サイドに音場調整用のスペースを設けた。ピアノ・弦楽器・管楽器エリアの壁面には反射音の拡散とクロス保護を目的として、サイズの違う木製スリット材をランダムに配置。また、バンドリハーサル用に大きな鏡を壁面に設置したが、レコーディングなど鏡を使用しない時の為に、鏡面からの強烈な反射音をコントロールすべく可動式吸音パネルも準備されている。コントロールルームの機能を持たせた隣室との間には覗窓も設けており、プライベートスタジオではあるが、バンド規模のリハーサルやレコ―ディングといったプロユースにも使用できるほど本格的なスタジオとなった。

Piano area
Piano area
Rehearsal version
Rehearsal version
Rec version
Rec version

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