~マスタリングスタジオにおけるANKHの活用~

音空間事業本部 根木 健太  企画室 安斉 隆文

1.概要

ESOTERIC 社の発売する名盤復刻シリーズは、定評の丁寧なマスタリング作業によってSuper Audio CD 化され、音質の向上はもとより、作品が本来備えた音楽的魅力を改めて浮き彫りにし、新たなる感動を呼び起こす人気作品である。そのマスタリング空間に、「ANKH-I(フラットタイプ)」及び「ANKH-Ⅲ(ミニタイプ)」が使用されている。


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ホールレコーディングでの活用


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2.お客様の声

マスタリングルームはどちらかというと微細な音を聴き分けるためにデッドな環境で作業をしている場合が多いようである。その為ややもするとドライな音になりやすい傾向が見られる。私はクラシックの名演奏家の復刻盤SACD のマスタリングをするにあたり、マスタリングエンジニアに特にお願いしていることは、マスターに記録されたホールの響き、各楽器が奏でるハーモニーの美しさ、プレーヤーを取り巻く空気感・気配感、ステージ左右の広がり・奥行感を自然なバランスで残すことである。

モニタールームはわずかではあるがデッドだった為ANKH の拡散機能を取り入れてルームチューニンしてみたが、耳にやさしく、疲れも軽減され、正確なジャッジがしやすくなった。一方置き場所によっては拡散し過ぎ、分解能や定位があまくなる傾向がある。ピアノの録音でもホールの響きだけに頼ることなく、配置次第では拡散効果の響きも心地よく、またピアニストの評判も高い。

エソテリック(株) 大間知 基彰