テクノマックスビデオセンター移転工事

音空間事業本部 渡會 健 柿沼 誠 青木 良江 崎山 安洋 葛西 信輔 出口 公彦

MA-C Front

1.計画概要

テクノマックスビデオセンターは、㈱テクノマックスの新拠点ポストプロダクションスタジオとして、2019年3月に稼働開始した。移転前ビルのインフラ老朽化もあり、テレビ東京旧本社ビル(現 神谷町スタジオ)に隣接するビルに移転することで、これまで以上に連携を深めている。

フロア面積は移転前と比べ2/3程度となったが、狭さを感じさせず、設備数を減らすこともなく編集室やMA室の作業効率の良いレイアウトと開放的な意匠設計が求められた。

2.新ビデオセンター平面計画

新ビデオセンターはエントランス廊下を挟んで、編集室エリアとMAエリアにゾーン分けされている。編集室エリアはハイブリッド対応リニア編集室(EDIT-A,B,C,D,E)、4K対応ノンリニア編集(EDIT-F,G)、ビデオワークルーム及びマシンルームで構成されている。編集室7室はマシンルームを囲むレイアウトとし、どの編集室からでもマシンルームへダイレクトアクセスが可能。また、システム面ではセンターサーバー方式を導入し、番組毎に適した編集ワークフローができるようにVTRデッキやノンリニア端末をマシンルームに集約し、省スペース化されている。

MAエリアは2ch対応MA2室(A,B)、5.1chサラウンド対応MA1室(C)、オフライン編集室、オーディオワークルームで構成されている。MA室は利用者のアクセスやスペースを考慮しサウンドロックを設けず、二重のガラス引戸を通してMA室からアナブースへ直接アクセスできる。MA-A,Bのアナブースは2人、MA-Cは4人まで同時収録できる広さを確保している。ファンノイズの大きい機器はMA室とは別に設けたMA専用マシンルームに集約し、音響機器用電源はノイズカット機能付き電源トランスを別室に設置し、音響機器用のクリーン電源を確保したことも特徴である。

MA-C Back、Booth-C

Layout

3.MAの音響計画

新ビデオセンター入居ビルはSRC構造のオフィスビルで、同フロア及び上下階フロアには他テナントも入居していること、許容積載荷重には大きな制限がある中、MAスタジオは遮音性能を考慮し浮床浮遮音天井・壁による完全浮構造を採用した。隣接するMA空間の乾式固定遮音間仕切壁は、下地をダブルスタッド工法(二重化)とし、振動伝搬低減、壁内部のエアースペースを広めとすることで、低音域の遮音性能確保を目指した。MA室の音環境は各室間での音場の差異を最小化することで室を選ばずにMA作業を可能にしている。また、ミキサー席とクライアント席との音場の差を生じにくくするため、MA室後壁にはAGS(柱状拡散体)を採用し、バランスの良い吸音と拡散効果を狙った。一方で各MA室のデザインにはそれぞれ異なるアクセントカラーを採用し、外部利用者にとっても認識しやすい意匠設計とした。

SYSTEM;MA
【DAW/Console】
  • (AVID) ProToolVer.2018.4.0
  • S6M40 5Knob 24Feder 24-5-D
【Speaker】
  • Large;A25-M(PSI) Small;A14-M(PSI)
  • 5.1ch;8340A・7360A(GENELEC)

EDIT-A、EDIT-F、Offline-H

4.お客様の声

今回のビデオセンターの全面移転では、編集室とMA室の数を維持してフロアー面積を削減する必要があり、加えて短い期間での工事となりNOE様には設計段階からお知恵をお借りする事が多くありました。お陰様で、限られたスペースを効率よく設置できました。スタッフとクライアントのエリア分け、編集とMAのエリア分け、編集室にはマシンルーム側と廊下側の2か所に出入口を設けて動線を分離するなどの工夫が盛り込まれています。テスト運用から数ヵ月経ちましたが、スタッフとクライアントの動線が分離できクライアントスペースでの渋滞も無く実際以上に余裕を感じられる仕上がりになりました。窓からの眺めを活かし、風合いの有る素材を有効に配置し、人の流れがスムーズで、コンパクトな空間でもくつろげる空間を配置したレイアウトに仕立てて頂き、快適に使用させて頂いています。

完成ぎりぎりまで、現場スタッフのこだわりを細かな点まで実現していただいた事も非常に感謝しています。ご担当いただいた皆様に心より御礼申し上げます。