音空間事業本部 津金 孝光 矢野 辰巳 藤沢 隆  ソリューション事業部 松尾 浩義

1.概要

前田建設工業は茨城県取手市にICI総合センターICIラボを新たに設立した。Garage1と呼ばれる総合実験棟内には、多種な実験施設を導入しているが当社は、その中の音環境実験施設を担当した。

本音環境実験施設は限られたスペース内ではあったが、残響室・床衝撃音試験室・無響室を巧みに配置し、総合的に様々な音響試験が可能なものとしている。

残響室は矩形型を採用。床衝撃音試験室は2 種のスラブ厚違いの室とした。無響室は、無響室⇔半無響室の切替えが可能であり、また遮音試験開口、集塵・排気装置、当社商品のマイクロフォン移動装置やゼネコンの技術研究所として最高クラスの遮断周波数が低い吸音楔が採用され、多くの特筆すべき仕様が盛り込まれている。


遮音試験開口(半無響室状態)


残響室(矩形型)


天井吊型マイクロフォン移動装置
MTS-5

2.お客様の声

ICI総合センターにおける研究施設は、コンセプト上の理由から様々な実験設備を大空間に集約させる必要がありましたが、配置計画から参入して頂くことで、他の実験設備に影響されない静謐な音環境を実現できました。

また、残響室-無響室間の試料開口を様々なサイズに調整可能な分割式遮音パネルや、容易に取り外し可能な残響室天井の拡散版など、こちらの様々な要望にもお応え頂き感謝しております。今後ともどうぞよろしくお願い致します。

仕様 残響室 矩形型200立米 音響拡散体 空調完備
床衝撃音試験室 スラブ厚150mm 及び200mm 空調完備
無響室 自由音場特性:80Hz 以上 吸音楔1000mm
室内暗騒音:NC-15 以下(空調稼働時)空調完備 遮音試験開口
集塵・排気装置 マイクロフォン移動装置MTS-5