音空音空間事業本部 重冨 千佳子 佐竹 康 河野 恵 泰楽 穂 広瀬 裕二 保田 有佑

ヒューマックスシネマ HAC SHIBUYA

1. OverView

株式会社ヒューマックスシネマ様が、8K映像編集室"8K Suite" 2室とDolby Atmos Home対応のMAスタジオ・録音ブース"Audio Suite"を備えた新拠点を渋谷にオープンされた。
オフィスビルへの入居ということで限られたスペースの中に、8K映像編集室、MAスタジオ、マシンルーム、VFX/Preルーム、ミーティングルーム、スタッフルームといった諸室を、遮音計画や動線を考慮し、最適な空間構成となるようレイアウトプランニングを行った。
遮音構造や色彩管理が必要となるMAや編集室には外光が入る窓が設置できない分、廊下やミーティングルームなどの諸室では外光を積極的に取り入れ、明るく開放的な空間となるよう設計を行った。
入口正面には左官仕上げの象徴的な壁面に、渋谷新拠点の顔となる無垢材を用いた看板が配置され、その隣には、来訪されるお客様やこの新拠点で作業される人々がつかの間の一息をつけるような、ナチュラルで温かみのあるLoungeが設けられている。
新しい⽣活様式が注⽬される、新たな時代の幕開けにふさわしい、ニューノーマルの時代を象徴した新拠点となった。

2. Design Concept

"New MOre NOrmal"
モノトーンを基調とした中にナチュラルな木質を配置し、空間の所々にヘリンボーン柄を採用することで、8K Suite、Audio Suiteをはじめとしてフロア全体に統一感のあるデザインとなっている。
シックで落ち着いた雰囲気の中にも、自然の脈打ちや温かみが感じられるような空間づくりを行った。

3. スタジオ概要

3-1. Audio Suite

Dolby Atmos Home対応のMAスタジオを完備。
ミドル層9ch [L/C/R/wideLR/SideLR/RearLR],サブウーファー1ch,トップ層4chの9.1.4chで構成されている。
音響特性のクオリティを確保しつつ4K映像を大画面でプレビューできるよう、音響透過スクリーンおよびHDR対応のプロジェクターが採用されている。ステレオの編集作業がメインとなるよう、L/Rchはスクリーンバックとせず、外側に30°配置とした。ミドル層9chは、音響軸を可能な限り同じ高さに揃え、ミドル層の間にはAGSを配置。ハイトスピーカー間にも拡散リブを配置し、スムーズなパンニング表現で立体感のあるモニター環境を目指した。

【SYSTEM】
<コントロール・サーフェース >
Avid S6 M40
<スピーカー>
L/C/R ch:PMC IB1S-AIII TOP/Sorround ch:PMC twotwo.8 SW:twotwo sub2
<プロジェクター/スクリーン>
Canon:4K5020Z/ KIKUCHI:EASTONE E8K-KP90HD
<DAW>
AVID Pro Tools HDX・Steinberg NUENDO
<オーディオプロセッサー>
DATASAT AP25
<DolbyAtmos Renderer>
DolbyAtmos HT-RMU

3-2. 8K Suite

フロント面には8K対応85inchディスプレイが設置されており、ディスプレイ背面には映像のプレビュー時に画面が見やすく色彩情報を正確に確認するために必要な、内装材の配色選定や照明の計画を緻密に行った。さらに空間全体では、調光・調色システムを採用し、ベースライトと間接照明の切替えを可能にすることで、あらゆる映像コンテンツに対応できるフレキシビリティの高い最新の設備を完備している。
8K/22.2chのイマーシブオーディオコンテンツもダウンコンバートして5.1ch再生ができる音響システムを構築し、映像と音響が高いクオリティで同時にプレビューできる理想的な制作環境を実現している。

【SYSTEM】
<フィニッシングシステム>
SGO Mistika Ultima
<モニターシステム>
Canon:DP-V3120(4K)/SONY:KJ-85Z9H/BZ(8K)
<8Kレコーダー>
Panasonic AJ-ZS0580
<スピーカー>
GENELEC 8340A/7370A

3-2. 8K Suite

4. お客様の声

今回は新拠点でのスタジオ新設ということもあり、物件の検討からご参加していただきました。計画時には候補物件が建設中ということもあり、不確定な部分も多数ありましたが、ご担当者様からご助言をいただき無事に完成を迎えることが出来ました。建築では弊社が希望する仕様を仮図面の段階から丁寧にご検討いただき、限られた条件の中、非常に効率的な空間配置を実現していただきました。またデザインでは編集・MA各部屋の用途に合わせた特性を「"New MOre NOrmal"というコンセプト」で統一することで、スタジオ全体を一つの空間として見事にまとめていただけました。お陰様でスタッフはもちろん、お客様にも心地の良い時間を過ごしていただけるようなスタジオを作れたと思います。工事関係者をはじめ、日本音響エンジニアリングの皆さまのご尽力に心から感謝申し上げます。

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