音空間事業本部 根木 健太 佐古 正人
概 要
御自宅と建屋を分けたオーディオ専門棟の内部に、全面AGS を採用したオーディオルームが完成してから約10 年が経った2022 年の春先、久方ぶりにオーナ ー様から連絡を頂いたのをきっかけに、本プロジェクトが再稼働した。
もともと天井近くまで設置する計画で進められていたAGSは、諸般の理由から壁の約半分の高さまで（といっても高さ2.4m 分のAGS が積み上げられていた！）設置され、オーディオルームは完成。計画段階から参入できた甲斐あ って、微細な音まで漏れなく聴き取ることができる！と非常に喜んでいただけた。しかし、当初から思い描かれていた、上から下まですべてAGS で埋め尽くす空間をいつかは実現したい、というオーナー様の熱意が冷めることは無く、10 年の歳月を経て理想の空間に叶うようAGS を追加で設置する機会をいただいた。
オーディオに対して並々ならぬ情熱を注ぐだけでなく、プロミュージシャンもこの部屋に演奏に訪れるというオーナー様のご要望に叶うように、見た目や音響に妥協が無いようにAGS の配置や割付も再検討した。
AGS 追加施工時には、身動きが取れないほど設置前のAGS が部屋を埋め尽していたが、日光の入らない温湿度が管理された部屋であるためか、設置してみるとさも、後から追加した様子の感じられない、違和感のない仕上がりとなった。
お客様の声
自宅を新築したのに合わせてオーディオルームも新築、その際に設計士からオーディオルームを持たれているお客様
を紹介して頂き、実際に音を聴かせて頂き感激。そのオ ーディオルームを施工した日本音響エンジニアリングを知り、紹介して頂きました。
日本音響さんには設計の段階からお世話になり、電柱から先の電源の配線やコンセントなど詳細に至るところまで、細やかな配慮をして頂きました。壁面には勿論AGS を張り巡らせました。AGS の高さは壁面の半分まででしたが、仕上がりは素晴らしく、おかげさまでオーディオの超マニアに限らず、色んなミュージシャンや音の制作側の方々にも高い評価を頂きました。ふと改修を考えていると話をしたら、これ以上何を変えるの？と言われていました。
今回やっと全ての壁面を天井際までAGS に改装する事が出来ました。まるで最初から仕上がっていた様な素晴らしい出来上がりです。音はAGS が半分の高さの時と比べ、AGS の無い壁面が影響していたせいか、室内のS/N がさらに上がる、定位がより明確になる、色んな楽器や原音の低音を表現出来る、何よりも音楽がオーディオの音ではなく、飛躍的に実在感が出てきました。小グループなら部屋の中で演奏会も出来、実際にミュージシャンからも高い評価を得ています。
新築当初からの、日本音響の皆さまのあらゆる対応に厚く感謝いたします。
