C 邸 スタジオ

音空間事業本部  平田 昌之  福村 薫美  福満 英章

概 要

プロのミュージシャンである施主から、木造住宅の1室をスタジオに改修したいとのご要望を頂いた。歌詞制作・楽曲制作を主にギター等の録音・編集に加え、ドラムセットを設置しての演奏も想定されることから、強固な床が必要となったため、建屋情報を基に地盤改良を行った上でコンクリート打設による浮床を構築した。
閑静な住宅街に位置するため、近隣住戸への配慮と同時に自宅内への遮音をも確保する計画とした。上階にグランドピアノを設置しているため、建屋構造体への荷重(負担) をなるべく抑えることを目的として、スタジオの天井は通常の防振ハンガーによる吊り天井ではなく、天井面に建屋と接点の無い木の軸組によって支える独立浮構造を採用した。その結果、天井を高くすることが可能となり、約10 畳の限られた空間でも窮屈さを感じない仕上がりとなった。後壁側に隣接させた機材収納庫は、空気層としての役目も兼ねることで居住区間に対して遮音性能向上に一役買う形となった。
音場に関しては、ミキサーポイントとスピーカー位置から綿密に検討し、ファブリック仕上の天井面と壁面内部の音場処理を施した。最終的に施主立会いのもとで音源再生確認・調整作業を行った。
海外滞在時の日差しの入る環境での制作活動経験から、採光と換気機能を持った窓を要望された。2 方向に設けた窓により室内に光が差し込み、快適な作業空間としてのプ ライベートスタジオが完成した。

SIDE VIEW1
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SIDE VIEW2
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HALL VIEW
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