音空間事業本部 佐竹 康、出口 公彦、佐藤 慎也
1. 概要
今年、創立50周年を迎えた音楽出版社・株式会社 日音様のオフィス移転に伴い新スタジオの音響設計・施工を担当した。様々な演奏スタイルに合わせてマイキングができるよう、フレキシブルな音場が望まれた。壁にアンティークレンガと可搬型AGS拡散体を配置し、コンパクトながら音抜けが良く、バンド編成でもセッションしやすいアコースティックを目指した。
2. お客様の声
建設条件の厳しいオフィスビル内の限られたスペースに、超重量級のスタジオを設計するという難問に対して、様々な創意工夫とアイディアを提供して頂きました。オフィス内の周辺騒音とスタジオ演奏音双方に対する防音のケアと、作業効率の良いスタジオとは、を課題にし、リクエストした事は、スタジオとして最大限の広さや高さを取り、楽器や歌声をより良く収音出来る"ハコ" の鳴りが欲しい、という事でした。長時間作業でも疲れにくく、正確な判断ができる"音の見え易さ" が、スタジオでもコントロールルームでも欲しかったのです。その結果、特にスタジオでは、ヴァイオリニストが立って弦を振上げても余る程の高さを確保でき、音が見え易い"ハコ" のおかげで、演者からも口を揃えて気持ちが良い!という声を多数頂いています。
また、所属作家が集中して音楽制作に打ち込むことができるプリプロルームも併設し、スタジオとのパッチ回線によってコントロールルームとしても使用できるようにして頂きました。音響特性、使い勝手、居住性、全てにおいてクオリティの高いレコーディングスタジオが出来上がり、とても満足しています。
コントロールルーム
プリプロルーム
可変型AGS拡散体