音空間事業本部 後藤 宏明

1. プロローグ

天王洲アイルは東京ベイエリアの複合商業施設として、都内ウォターフロント再開発の先駆け的存在として知られ、その景観から多くのドラマや映画などのロケ地として使用されています。その天王洲アイルにほど近い『テレビ東京天王洲スタジオ』内に、今回『InterFM(インターウェーブ株式会社)』の心臓部Masterとスタジオを新設いたしました。

2. 各スタジオ説明

設立当初のInterFMの特徴と言えるワンマン+スタンディングスタイルを、神谷町スタジオから新しく取り入れた、SUB/スタジオ独立+ハイテーブル&ハイチェアースタイルを継承しています。

スタジオには運河を見渡せる大きな窓を設置し、閉鎖空間のスタジオに開放感を出しています。

SUBには、スポットライト照明・マイク・液晶モニター・インフォメーション等が吊れる多目的なアルミトラスを設置してあります。SUBもスタジオ同様にミーティングスペース側は全面硝子張りとして、開放感を演出しています。また、SUBからワンマン使用可能なオープン感覚のDJトークブースにもなります。UPSは30KVAでMasterの機能をカバーしています。

3. 音響仕様(コンセプト)

スタジオは生放送/収録の両方で使用するために完全浮構造で計画。Masterとのアクセスは片開きマグネット戸当りタイプ扉を2枚としてMasterからの騒音をカット。一方、SUBへのアクセスは、出入りの容易さを配慮して片開きマグネット戸当りタイプ扉を1枚で計画しました。また外部窓は、運河を走る船や車のノイズを考慮して、3重硝子の大きな遮音窓としました。室内暗騒音レベルは、空調・換気運転時スタジオがNC-15以下、SUBはNC-20以下の性能が確保されています。室内音場については、SUBの空間的な開放感を演出するために、ミーティングスペース側を曲面形状の大型全面硝子で計画し、音響的な特異な焦点が分散されるように配慮しました。

4. エピローグ

今までの芝浦Masterからの送信は、2008年12月の放送から天王洲Masterに移行され送信されています。

写真1 S1-SUB
写真1 S1-SUB

写真2 S1-SUB
写真2 S1-SUB

写真3 S1-スタジオ
写真3 S1-スタジオ

写真4 Master
写真4 Master