音空間事業本部 佐竹 康、嵯峨 寛人、青木 良江、渡會 健
1. STUDIO CONCEPT
テレビコマーシャルを中心とした、撮影、カラーグレーディング、編集、MA、プリント、オーサリングまで、幅広い業務を行われている老舗のポストプロダクションスタジオ、ピラミッドフィルム・ピースリーの新スタジオが、2015年5月、芝公園にオープンした。
新規事業立ち上げも見据えた、新たなクリエティブな空間としての新拠点の選定では、芝公園と増上寺の緑豊かな自然を目下に配し、目の前には東京タワーがそびえる、絶好のロケーションが決め手となった。
本移転プロジェクトでは、意匠設計をRedman社、システム設計施工を共信コミュニケーションズ社、スタジオ設計・内装施工を当社が担当し、計画初期からオープンまでおよそ10ヶ月に及ぶプロジェクトとなった。
大規模な高層ビルの1フロアに、エディットルーム7室、カラーグレーディング、MA/ブース2室、ミーティングスペース、ロビー、オフィスが、それぞれゆとりのある空間で構成されている。
大規模高層ビルの高層階にスタジオを計画する際には、避難経路や積載荷重、排煙、消火設備など、法的・建築構造的・設備的に、制約が多岐にわたる。これらの制約をすべてクリアし、東京タワーを望む絶景を活かした動線・全体レイアウトを実現するとともに、以下のコンセプトに基づくデザインとスタジオの音響性能の両立を目指した。
2. DESIGN CONCEPT
直線ラインを効かせたモノトーンでスタイリッシュなパブリックスペースと素材とその質感にこだわった落ち着きあるプライベートなワークスペース。長時間滞在するクリエイターにとって刺激と期待感を高める空間の提案。
スタジオへアプローチする通路は、床壁天井をモノトーンのグラデーションにて構成し、LEDのスリットライトを効果的に配置。各スタジオは木材とファブリック、スチールや左官、タイルなど、仕上材の組合せによりスタイリングを変え、ニュートラルな通路との対比を生み出している。
また室内空間はレイアウトやライティング、ソファの座り心地など多くの検討を重ね非常に質の高いものとなった。エントランス正面にのぞむ東京タワーと、情熱から想起される『レッド』をコンセプトカラーとし、壁面や天井、家具備品など随所にアクセントとなるよう活かしながら、空間全体での統一感をつくりだしている。(Redman 山田氏)
3. お客様の声
今回の移転プロジェクトは、スタジオ創立25周年の節目に当たり、弊社にとっても大変大きなプロジェクトでしたが、日本音響さんには、設立当初からほとんどのスタジオを手がけていただいた経緯もあり、最初からプロジェクトに参画していただきました。
物件の下見段階から約10か月間、毎週のように打合せを繰り返す中、数多くのご提案をいただき、高層ビルという難しい条件の中我々のこだわりや我儘にご対応いただいたこと、心より感謝いたします。長時間作業でも居心地良いスタジオが実現でき、お客様からも好評です。
MA-1
BOOTH-1
EDIT-3
EDIT-5
EDIT-1
EDIT-4
LOBBY
ぶら下がり棒
AGS(MA-2)
COLOR GRADING
MEETING-3
ENTRANCE