音空間事業本部 野澤 由香、田中 渚

1. 設備概要

音楽・舞台中継番組などのメニューが豊富な衛生放送局であるWOWOWの本格的な音声中継車1号機。準備段階から含めると約1年という熱の入った本プロジェクトは客先+各業者間での絶妙なチームワークの結果、WOWOWの放送スタイルに特化した「オンリーワン」の中継車となった。

2. 音響上、居住性の特徴

2つのミキシングルームの間にマシンルームを配置することにより操作性と遮音性能の両立を図り、外部~車内の遮音性能についても性能重視の設計となっている。

リスニング環境については、電気音響への依存を極力控え、省スペースながらも建築音響(拡散・吸音)での処理を優先的に設計。モニタースピーカはRoom‐Aにおいて国内音声中継車として初、弊社 NES miniの本格導入によって5.1chサラウンド環境を構築し、一部スピーカをカスタマイズすることで、WOWOWオリジナルのミキシング環境づくりに配慮した。居住性の面では、機材とのデザインバランスを考え、操作空間としてのコックピットなどを模したメカニカルな内装デザインでトータルコーディネート。照明器具は全て、省エネ効果を目論んだLED器具を選定した。

3. お客様の声

今回の音声中継車は、我々としては初めての念願の車ということで、それだけの想いを持って設計にあたりました。日東紡の皆様も「プロの技」で、それに応えていただき、我々とメーカーの皆様双方の「いいものをつくる」という想いが結実した車が出来上がったと思います。我々のいわば勝手な言い分も真摯に聞いていただき、ユーザー目線を持った職人魂を感じ、このプロジェクトの成功を確信しました。

稼動を始めて4ヶ月程経ちましたが、音質、バランス等を判断しやすく、時間のタイトな中継現場においては、作業のしやすい良い音に仕上がっていると感じています。中継車は日々違う場所、環境で使われるので、今後も引き続きお世話になりますが、会社が近いので「酒屋さんの御用聞き」のようなお付き合いが出来ればと思います。

野澤さん、田中さん、崎山さん、車を作っていただいた職人の皆様、ありがとうございました!今後ともよろしくお願いいたします。

施工概要
工期 2008年1月~2月(内装工事のみ)
音声卓 スチューダー・ジャパン‐ブロードキャスト株式会社
システム工事 株式会社スタジオイクイプメント
車輌艤装 京成自動車工業株式会社

車輌外観
車輌外観

Room-A フロント
Room-A フロント

ROOM-A リア
ROOM-A リア

ROOM-B
ROOM-B