音空間事業本部 矢野 辰巳 田山 哲
ソリューション事業部 松尾 浩義
1.概 要
大林組技術研究所の音響実験室に、国際基準ISO 及びJIS に準拠した直方体残響室2 室が更新され、合わせて試験体カセット自動搬送クレーン(最大積載荷重9t)が導入された。従来は実験の都度、開口部で壁などの試験体を施工していたが、更新に伴い、あらかじめ別の場所でカセットに試験体を設置し、クレーンで開口部に挿入することで実験が可能となった。試験体カセットは3 種類の厚みで計6 枚。カセットは自動搬送クレーンにより、ワンボタンで設定位置に移動する。開口部に挿入されたカセットは、油圧ジャッキを使用した残響室移動装置により、同じくワンボタンで事前に設定した力で残響室間に弾性圧着させることが出来る。
これらの更新で遮音性能の測定が合理化されたことを受け、より高性能な遮音構造の開発を行える環境となった。
2.お客様の声
既存建物内の残響室更新のため、大きな資材の搬入や施工に大きな制約がありましたが、課題を一つ一つ解決しながら、実現して頂きました。 自動搬送クレーンと残響室移動装置を組み合わせたカセット交換の機構によって、研究開発の大幅な効率化が可能となりました。これまでのご尽力に感謝申し上げます。
2 つの残響室と試験体カセット
サイズの異なる6 枚の試験体カセット
残響室自動搬送クレーンの概要