残響室とは、空間内に「拡散音場」を近似的に作り出すため、壁、床、天井を高い反射性に仕上げた音響実験室です。
すべての音を吸収する無響室とは対極にあり、「内部の多重反射と残響によって生じる音場」を積極的に活用することで、特有のデータ計測と処理を行います。
(1) 音響材料の残響室法吸音率の測定
(2) 音響材料の音響透過損失の測定
(3) 各種機器の音響パワーレベルの測定
(4) 実践的な大規模測定: 自動車の車体における総合的な遮音性能評価など
(5) 最新デバイスの評価: ノイズキャンセリングヘッドホンの高度な精度評価環境としての活用
(6) 極限環境のシミュレーション: 航空宇宙分野における、打ち上げ時の大音圧を模擬した音響試験(RFAT等)
これらも拡散音場を利用した試験であり、残響室の応用例と言えます。
当社は、あらゆる要求仕様を満たす残響室の基本計画・設計・施工から、目的に最適化された専用測定システムの納入、運用サポートまでを一気通貫でご提案。お客様の高度な評価環境構築を強力にバックアップします。
残響室の設計において、正確な測定環境を構築するための重要な鍵となるのが「室容積」と「室形状」です。
・コンクリート造からパネル製まで柔軟に対応
高い剛性を誇る本格的なコンクリート造の残響室から、耐荷重制限のある場所にも手軽に設置できるパネル製の残響室まで、豊富な施工実績を誇ります。
・高精度な透過損失測定を実現する「結合実験室」
音響透過損失の測定に不可欠な、2つの残響室(または残響室と無響室)を結合した高度な実験室の構築にも対応。高い遮音性能を持つ試料の特性を正確に測定できる構造ノウハウを有しています。
・試験工数を大幅に削減する「試料取付機構」
測定精度の確保だけでなく、試料のセッティングと密閉(シール)作業を自動化する「試料取付カセット」など、お客様の運用工数を削減する実践的なソリューションをご提供します。
自動車開発において、静粛性(NVH)の向上は最も重要なテーマの一つです。当社は材料単体の評価にとどまらず、より実践的な「コンポーネント評価」や「実車評価」に対応する高度な残響室ソリューションを提供しています。
・大型の結合試験室の構築
実寸大のコンポーネントを評価するため、比較的大きな「残響室+無響室」や「残響室+残響室」の結合試験室を設計・施工します。
・音響インテンシティ自動測定による工数削減
マイクロホントラバースを使った近接音響インテンシティの自動測定システムを導入することで、複雑な部品の音漏れ経路を可視化し、試験時間を大幅に短縮します。
・短時間でウィークポイントを網羅的に把握
残響室内(拡散音場)は音圧レベルがほぼ一様になるため、車両の全周囲から均一な音響負荷をかけることができます。この状態で車室内を測定することで、ドアシールやボディの隙間など、車両全体の遮音の弱点を極めて短時間で特定し、手戻りのないスムーズな開発を支援します。