見てわかる!Meleonの音響効果

音空間事業本部  柳澤 拓海   ソリューション事業部  勝原 聡寛   企画部  山下 晃一

概 要

人間の声の帯域はかなり広く、中低音域の響きの長さはその部屋のクオリティに影響を及ぼす。しかし、一般的なオフィス用品として扱われる吸音材の多くは、主に声の高い方の周波数帯域の吸音に偏っており、かえって低域の残響感を強く感じさせ、明瞭性の低い音環境となりがちである。
明瞭性の高い音環境を造るには、中低音域から高音域までの声の周波数をバランス良く吸音する必要があるが、その性能を把握するのは意外と難しい。
そこで弊社の" 音が見えるカメラ" こと「NoiseVision」を用いて、壁/一般的な吸音パネル同等品(GW 32K25t) / Meleonがどの程度中低音域の吸音能力を有するのか確認した。

結 果

一般居室での測定では、対象物以外からの反射音が混入したり、その部屋の定在波の影響を受けるため、弊社研究所の大型無響室にて測定を実施した。スピーカーからピンクノイズを出力し、反射音をNoiseVision で観測した。今回は特に人の声の中低音域にフォーカスするため、NoiseVision 側で声の100 -500Hz を観測できるようフィルターをかけた。
上の3枚の写真がNoiseVision の測定結果である。反射音の音圧レベルの強度を色分けしている。赤いほど反射が強く、青くなるにつれて弱くなる。つまり、青くなるほど対象物の吸音性能が高い。
何もない壁(写真左側)の場合、スピーカーから出た音がそのまま壁から反射するため、中央が赤くなっており、強い反射が生じていることを示している。
そして一般的な吸音パネル同等品(写真中央)も、壁面に比べると若干反射の影響は緩和されるものの、あまり吸音出来ていないことがわかる。
一方、Meleon を設置した場合(写真右側)、強い反射を示す赤部分が無いことから、中低音域の吸音性能が高いことがわる。また色のグラデーションの少なくなっているが、吸音だけでなく音の散乱効果が働いていることがうかがえる。
このようにMeleon は通常の事務用品の吸音材よりも低い帯域の吸音性能が高く、快適性を求められるオフィスやホテル、レストランのみならず、編集スタジオの様に音に対する高いクオリティが求められる場所にも導入されている。

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