音空間事業本部 津金 孝光 騒音対策事業部 青木 雅彦 光枝 太一
写真提供:公益財団法人鉄道総合技術研究所
1. 概 要
公益財団法人鉄道総合技術研究所では、縮尺1/20 の列車模型を用い、車両走行時に生じる空気の流れや乱れを精緻に再現できる試験装置を導入した。本装置は、列車模型を速度400km/h で走行させることが可能な、世界トップクラスの性能を有している。
本装置は、①発射区間、②測定区間、③制動区間の3 つの区間で構成されている。発射区間では列車模型が発射用回転輪装置により、最高速度400km/h に加速される。測定区間は半無響室となっており、列車模型は暗騒音低減のため惰行で走行する。制動区間では長さ32m にわたって敷かれた発砲ビーズに突入させることで列車模型を停止させる。
弊社は本装置の導入にあたり、設計時においては試験装置稼働時の発生音が近隣へ伝搬する影響を検討する音響コンサルティングを担当した。また施工段階においては試験装置の測定区間の半無響室の施工を担当し、所望の音響仕様の確保に努めた。
半無響室は特に長手方向において37m を超える長大空間となっており、大型な半無響室としても、本設備は稀有なものである。
仕 様
自由音場特性:100Hz 帯域(1/3 oct.) 以上 吸音楔800mm 採用
測定区間(半無響室)内走行レールの様子
測定区間(半無響室)内観
測定区間(半無響室)内観