建築音響 設計・施工 レコーディングスタジオ

レコーディングスタジオ

レコーディングスタジオは、収録別にみると音楽専用の録音スタジオとテレビ・映画・ゲーム等の映像作品の音源収録を目的としたスタジオに大別されます。楽器演奏やボーカル等の音源を収録するスタジオエリアとモニタースピーカを通して音を聴きながら録音・整音等の調整作業を行うコントロールルームとが基本構成となります。 また、近年の録音機材の高性能化・コンパクト化・低価格化により、パソコンベースのDAW(Digital Audio Workstation)を用いたハードディスク録音が一般化されたことにより、アーティストやプロデューサが収録前にプリ・プロダクションを行うためのプライベート・スタジオも増えてきています。
弊社では、レコーディングスタジオの建築音響設計においては、音を物理現象としてとらえる技術的なアプロー(音響設計)と、これまでの設計・施工実績や音響調整等を通して蓄積されたノウハウに基づいた、感性によるアプローチ(音場調整)の両面から検討をおこなっています。

レコーディングスタジオ計画のポイント

1:建築プランニング

スタジオの構成は録音する楽器編成や録音スタイルにより異なります。ストリングスやブラスセクションの録音、リズム録り、オーバーダビング等、目的に応じてスタジオフロアの広さや必要なブースの数が変わってきます。また、導入する音響機器システムに合わせたピット・配管等の設備計画は、スタジオ設計の計画段階で行っておく必要があります。快適なスタジオ・レコーディングやコントロールルームでのミキシング作業を行うためには、空調・換気設備、良質で安定した音響電源、リラックスできる照明プラン等の設備関係についても、計画段階で十分な検討を行う必要があります。

2:音響プランニング

遮音計画

スタジオの静けさの確保、近隣に対する騒音の対策、スタジオ内の音響的アイソレーションを確保するために遮音計画を行います。スタジオの静けさについては、コントロールルーム(再生環境)よりスタジオ(録音環境)の方が厳しい静けさが要求されますが、コントロールルームにおいても繊細な音色やリバーブの余韻音を聴き分けるために静けさは必要となります。 


音場計画

スタジオとコントロールルームとでは、求められる音場が異なり、各々の目的に見合った音場計画が必要です。スタジオには、アコースティック楽器やボーカル等が高いクオリティで録音できること、またミュージシャンが演奏しやすい、歌いやすい音空間であることが求められます。また、ミックスダウン作業などは高い集中力を伴う作業が長時間にわたる場合も多く、疲れにくい自然な居住空間であることも大切です。 

トータルパフォーマンス

レコーディングスタジオにおいて音響性能は重要な要素ですが、アーティストのモチベーションが高まるような雰囲気創りや遊び心、さらにはアクセスの良さ、楽器・機材搬入の容易さも、レコーディングスタジオにとっては評価を高める大切な要素であると言えます。また、実際にスタジオを計画する場合、周辺の環境(騒音・振動・電磁波等)も大切ですが、計画する建物の構造(許容積載荷重・階高・梁形状等)や設備(電気・空調・防災等)の条件も計画を大きく左右します。 弊社においては、スタジオ計画の物件調査から始まり、プランニング、意匠デザイン、空調・電気・防災設備設計まで、これまでの多くの設計・施工実績に裏付けされたトータルパフォーマンスの高いスタジオデザインを提案させて頂きます。

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