─ 防音パネル設置効果のプレゼンツールとして ─

ソリューション事業部 関藤 大樹

1.はじめに

SoundGraphy は、「いつでも」「どこでも」「誰でも」をコンセプトに開発された、今までにない小型の音響カメラです。主に研究・開発用として実験室で使用されることが多かった従来の音源可視化システムとは異なり、特に機材の可搬性や機動性が求められる現場向きの製品です。今回は本製品を営業ツールとして活用されている事例をご紹介します。


図1 手のひらサイズの音響カメラ SoundGraphy

2. 活用事例のご紹介

自動車内装部品メーカの三乗工業株式会社様(岡山県)は、これまで培ってきた自社の防音技術を活かし、軽量で組立簡単な防音パネルを開発・製造・販売されています。そして、その製品の設置効果をお客様にご説明する際、今までは騒音計で測定される数値(騒音レベル)を用いていましたが、より直感的にご理解頂くために、音の変化を数値ではなく可視化映像で確認できる本製品を導入されました。

1)騒音計との併用

三乗工業様は、図2、図3 のようにSoundGraphy と騒音計を1 つの三脚上に並べて設置し、使用されています。 こうすることで防音パネルの設置効果をSoundGraphy の可視化映像と騒音計の数値で同時に確認することができ、より説得力のあるデモが可能です。また、三脚を移動させるだけですぐに別の場所でも評価を開始できるので、お客様の突然のリクエスト(評価点の変更)にも臨機応変に対応できます。
なお、現場では防音パネルの設置効果をお客様に直接ご確認頂くために、お客様の目の前で何度も防音パネルを設置したり取り除いたりしますが、その間もタブレットPC 上では音のリアルタイム可視化映像が流れ続けますので、お客様を退屈させることなく、またデモスタッフは防音パネルの設置に専念できるので、とてもスムーズにデモを行うことができます。


図2 SoundGraphyと騒音計の併用


図3 タブレットPC で音の可視化映像を確認


図4 騒音計(騒音レベル)よる比較


図5 SoundGraphy(音の可視化画像)による比較

2)防音パネル設置効果のデモ + α

1 つデモ事例をご紹介します。図4 は、工場内で使用されるエアダスターの発生音(圧縮空気音)に対し、その発生場所の真横に防音パネルを設置することで周辺の騒音レベルがどのくらい低減されるかを、まずは騒音計(数値)で計測・確認した結果です。 この結果から、4 m 離れた評価点における騒音レベルは、防音パネルを設置することで4.5dB 下がることが分かります。
一方、図5 は、図4 と同じ条件下で、騒音計の近傍に設置したSoundGraphy を用いて、特に音圧レベルが大きい4kHz 帯域(1/1 Oct.Band)の音を可視化した結果です。防音パネル設置前の画像(図5 左)では、騒音源方向の音圧レベルが最も大きく、その音圧レベルは75dB 以上(赤色)であることが分かりますが、防音パネル設置後の画像(図5右)では、騒音源(防音パネル)方向には色がついておらず、その方向から到来する音の大きさは65dB(青色)未満であることが分かります。このことから、設置した防音パネルは騒音源の直接音を10dB 以上遮音している(4kHz 帯域)と言えます。
それではなぜ、騒音計で計測される騒音レベルは防音パネル設置前後で4.5dB しか下がっていないのでしょうか?あらためて防音パネル設置後の画像(図5 右)を確認すると、建屋天井方向にまだ色が残っていることが分かります。これは天井方向からも音が評価点に到来していることを意味します。つまり、評価点における騒音レベルが4.5dB しか下がっていないのは、評価点に伝搬する音には騒音源からの直接音だけではなく天井からの反射音も含まれているためだと考えられます。
このように、音を可視化することで、防音パネル自体の性能を明確に示すことができるとともに、更なる騒音低減のためのヒントをお客様に分かり易くご説明することも可能です。

3. おわりに

SoundGraphy はその可搬性や機動性を活かすことで、音の発生位置の探査用途だけではなく、製品効果をより分かり易く伝えるプレゼンツールとしてもご利用いただけます。もし本製品にご興味あれば是非弊社までご連絡ください。

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