福岡営業所  宮田 岳学 廣瀬 大輔
音空間事業本部  崎山 安洋

1.概 要

今回お話をいただいた御施主様は1階が事務所、2階が住居という構成のお宅でピアノの演奏音が下階や外部へ漏れていることに悩まされていた。周囲を気にせず自由にピアノが弾ける部屋が欲しい。こうした御施主様の思いから、以前納戸として使用されていた部屋の一部を改装し新たにピアノ室を新設した。落ち着いたトーンで整えられた室内はある種の隠れ家的な雰囲気を併せ持っている。またこのお部屋の特徴として、腰の高さで回された吸音壁がある。表面仕上げは御施主様が選ばれたカーテン生地を使用しており、この吸音壁がピアノ室をより個性的なものとしている。周囲への音漏れを気にすることなくピアノを弾くことができるプライベートな環境を備えたピアノ室となっている。

2.お客様の声

最初に「どんなピアノ室にしたいですか?」と聞かれ、「理想は森の中でピアノを弾いているような空間」と答えましたが、第一に防音が重要で切実な問題でした。建物の構造上の難問が多くある中、設計段階から一つずつ専門的な判断をされて計画が進んでゆきました。約3週間の工事の後、出来上がった部屋に入ると、外の音が遮断され、まるで別の場所に行ったかのような静かな空間になっていました。更に測定器を使ってきちんと遮音されたことを測定され、安心して弾ける部屋でありながら、ピアノの音を心地よく響かせ、心落ち着く理想のピアノ室になりました。
この計画で日本音響エンジニアリングさんに願いを全て叶えて頂き、担当の廣瀬氏・宮田氏、施工業者の方々に唯々感謝しております。


Piano Room


Piano Room


Absorbing Wall