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音響材料特性測定

音響材料特性の定量的な設計が可能

吸音材の写真

現在、弊社が構築を進めているBiot(ビオ)パラメータによる多孔質材料の音響特性予測技術。これを用いれば、材料の基礎的なパラメータを測定もしくは予測でき、材料の吸音性能、遮音性能を予測することができます。
弊社ではまず、材料の音響特性を特徴付けるBiotモデルの材料パラメータのほとんどを実測できる設備と計測技術を開発しており、お客様からの依頼試験やコンサルティングに利用しています。また、垂直入射吸音率、残響室法吸音率、透過損失の測定設備も保有しています。お客様からのニーズに広く対応できると同時に、研究開発活動を通じてこれらの計測の精度向上や新たな計測技術の開発に努めています。

音響材料設計の一例: 自動車内装材設計のフロー

自動車内装材設計のフローを表した画像自動車に限った話ではありませんが、機器の設計の場合はまず、機器全体としての目標スペックが決められ、それを部品レベルにブレークダウンしていくトップダウンの形を取ります。実際の開発は最下層の材料からボトムアップ的に進めます。製作のフェーズによって、要求される計測・予測技術が異なります。

フェーズ #1: 単層材料の設計、評価

Biotパラメータの測定中の写真材料の開発は単層材料の開発から始まります。まずは単層材料で十分な吸音・遮音性能を発揮する材料を開発すると同時に、その材料の音響特性を特徴付けるパラメータを把握することが大切です。なぜならば、このパラメータを正確に知ることにより、材料を積層した場合の音響特性を予測できるようになるためです。このパラメータはBiot(ビオ)モデルの材料パラメータと呼ばれ、多孔質弾性材料の音響特性はこのパラメータから予測できます。弊社ではこのパラメータの実測が可能な設備を研究所に有しており、日本国内では類稀なものといえます。Biotパラメータは、厚さ、密度といった一般的なパラメータのほかにポロシティ(多孔度)、流れ抵抗迷路度(トーチュオシティ)、粘性特性長、熱的特性長せん断弾性率、ポアソン比をあわせた9つのパラメータを指します。最終的に垂直入射吸音率の測定を行い、Biotモデルによるモデリング結果を検証します。

フェーズ #2: 積層構造の設計、評価と最適化

STRATI-ARTZの画像積層材料のそれぞれの層についての、Biotモデルの材料パラメータが把握できている場合、積層材料全体の吸音・遮音特性は伝達マトリクス法により予測できます。この手法で材料の音響特性を予測するソフトウェアがSTRATI-ARTZで、積層構造の最適化に大きな力を発揮します。実験としてはここでも垂直入射吸音率の測定が有効です。さらに最終的な材料の用途が内装材の場合、垂直入射吸音率と併せて実際の音波入射条件に近い残響室法吸音率による評価を行うことが一般的です。

フェーズ #3: 成型品の評価、形状の最適化

残響室法吸音率の測定の写真自動車の内装材は、最終的にプレス成型されます。その中には、ワイヤーハーネスやダクトを通すための穴が開いていたり、材料の厚みがプレスにより均一でなくなったりといった原因で、フェーズ #2で得られていた性能を発揮できない場合があります。

一般的に成型品の特性評価は、吸音性能は残響室法吸音率で評価しますが、成型品の場合は吸音率を推定することは難しく、一般的には吸音力で評価することになります。遮音性能は透過損失で評価します。これらの測定は重要で、正しい評価結果を得るためには測定上の高度なノウハウが必要になる一方、遮音弱点部位などの発見と対策には十分ではありません。

そこで弊社では、成型材料を遮音測定用の残響室・無響室の開口部に取り付けた状態での表面近傍の音響インテンシティ分布の評価や、Noise Visionによる音源可視化を活用するといった、対策に直結できる一歩進んだ解析を進めています。

フェーズ #4: 実車での性能評価

ダッシュパネルの遮音性能評価の写真開発の最終フェーズは、実車での性能評価です。実車での測定には、開発品以外の様々な要素も関係します。自動車は部品点数が多く、開発品の取り付けのためには他の多くの部品の取り外しが必要になります。このような部品の取り付け・取り外しといったことで材料の支持条件が変化し、結果に影響が出る場合があるので注意が必要です。

実車での評価は、音響感度解析と呼ばれる寄与度解析手法や、Noise Visionによる音源探査・弱点部位解析などが利用できます。また、自動車のカットボディを残響室・無響室の開口部に取り付け、エンジン音に対するダッシュパネルの遮音性能をシステマチックに評価する試みも行っています。

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