技術ニュース

発行日:2022年07月13日 | 更新日:2023年05月10日



立命館大学様の大阪いばらきキャンパスおよび梅田キャンパスに音響調整家具メレオンを導入いただきました。
この度、メレオン導入のきっかけや導入後の効果などについて、大学の情報システムや設備構築等を担当されている立命館大学の倉科健吾様にお話をお伺いすることができましたので、ご紹介します。

導入のきっかけとなったのは、コロナ禍での授業の「オンライン化」です。ほとんどの授業をオンラインで行わざるをえなくなり、音響・映像装置や配信システムを急ピッチで導入したものの音の課題、特に部屋が響きすぎる問題に直面しました。

響きの多い狭い空間での居心地の悪さ

近年の大学の教室は、オープンで明るい雰囲気づくりを志向して、ガラスが多用されています。さらに大きなホワイトボードを設置してコラボワークを推進することが増えました。一方で、音響的には、吸音する面が少なく、特に狭い部屋では響きが多く、音がキンキンと鳴るように聞こえてしまいます。そのような環境でオンライン授業を行うと、それが音声に重なり、そこにいる人はもちろん、配信先ではさらに聞き取りづらく、困っていました。

電気的な調整の前に整えたい空間の響き

空調やガラスから透過してくる外部の騒音を、ノイズフィルタなどの電気的な音の調整で解決しようと考えましたが、響きが多い環境では不自然になり、うまくいきません。実空間の響きの重要さを改めて認識しました。
そんな時に知ったのがメレオンです。
メレオンは電気的な処理をせずに、空間の響きを調整してくれます。
ガラス面からの反射音を大きく減らしてくれるので、狭い部屋でマイクに向かって話してみるとその効果がよく分かりました。
また、吸音だけではなく拡散の効果があることも他の製品にはない特徴でした。柱状拡散体AGSが入っている効果なのでしょうか、ただ響きを減らすだけでなく、とても自然な響きのある部屋になり、話し声がきれいになったと感じています。
これにより集音後の電気的な調整がしやすくなっただけでなく、過剰な補正を行う必要がなくなり、人の声がその人の自然な声らしく聞こえるようになりました。

▲音の反射の多い壁面にメレオンを設置

いつもの自分が出せる、自然な響きのある空間へ

メレオンを導入した部屋は、基本的に誰でも使用できるようになっています。はじめは先生方がオンライン授業を収録する目的のため、全面的に吸音した部屋を検討していましたが、吸音しすぎてしまうと不自然で居心地が悪くなると考えました。
吸音をしすぎで響きが少なすぎたり何もせず響きが多すぎたりすることなく、できるだけ自然な響きのリラックスできる環境にしたいと考え、メレオンを導入しました。今では、オンライン授業の収録だけでなく学生さんの動画収録などを行う場所ではメレオンが欠かせません。

▲梅田キャンパス次世代型アクティブラーニング教室

殺風景になりがちな教室にデザインのある空間を

今回のメレオンの導入にあたり、色々な吸音材を調べてみたが、どれものっぺりしていて、音の問題がなければ導入せずに済ませたい、と思うものばかりでした。せっかく設置するなら見た目もデザイン性の高いものにしたいと思っていました。この点でもメレオンは素晴らしいです。部屋に馴染むデザインで、空間にあわせたデザインを自身で組み合せできることもとても素晴らしいと思います。

メレオンは機能性と意匠性が両立できている点でも魅力を感じています。
授業のオンライン化により、配信機器を教室内に置かざるをえません。無機質な機械が増えてしまうことにも悩んでいました。メレオンで機器を囲うようにして配置すると、配信機器の騒音も軽減されるだけでなく、無機質さが消え、とても雰囲気の良い空間になりました。
オンライン授業の背景も殺風景だったので、先生方からは配信時の背景を工夫して欲しいといった要望を受けています。メレオンは見た目も素晴らしく、華やかさと落ち着きのどちらも表現できるので、配信の背景としても使っていきたいと思います。

▲収録の背景にメレオン

手紙を書くように、動画を録る時代

アフターコロナの昨今でも、オンラインでの配信や動画撮影があたりまえのようになってきてきます。オンラインを活用した授業は、リアルを超えるメリットを持つケースも多く、今後も続くと考えています。
そうした時代の変化を汲み取り、梅田キャンパスでは、次世代型の教室をつくる教室づくりを試みています。先生方が、ハイブリッド授業を通して積まれた知見を活かし、ハイブリッド授業がやりやすい教室を目指した結果、配信や収録もできるといった、など教室×スタジオを融合したデザインとなりました。この部屋でもハンズフリーで集音できるなど音環境は重要で、メレオンは欠かせません。
また校内には、オンライン授業を受けたり、グループワークを行ったりするなど教室以外にもラーニングコモンズという大小様々なスペースがあり用途も多様です。オープンスペースでの音の改善策として、移動式のメレオンを使うなど、さまざまな場所で試してみたいと思っています。

新着記事一覧