音空間事業本部 大高 俊樹、大野 隆三、崎山 安洋、佐竹 康

韓国MBC(株式会社 文化放送)の上岩洞新社屋本社移転が完了し2014年8月4日に初放送を送出した。

韓国MBCは公益財団である放送文化振興会が大株主として、経営は広告収益に依存する株式会社の形態の公営放送で、全国18地域の系列会社を通じて全国ネットワークを構成し、9つの子会社にて、全国地上波はTVチャンネル1、ラジオチャンネル3つ、ケーブルチャンネル5、衛星チャンネル4つ及びDMBチャンネル4を運営しているマルチメディア・グループである。

今まで本社スタジオは政治、経済の中心地である汝矣島(ヨイド)にあったが施設の老朽化に加え放送サービスの変化時点と重なり、上岩DMC地区(Didital Media City)への移転となった。

上岩DMC地区はソウル特別市が推進する先端IT、UBIQUITOUS通信施設、メディア企業、先端企業を集約したビジネスハブ都市であり、世界最高水準のデジタルメディアやエンターテインメントコンテンツの開発・生産の流通団地である。

そして、文化エンターテインメント産業分野の力量結集にMBCの入居が決定的に寄与する事となった。

三面傾斜ホリゾント大型自動開閉扉設置
TVStA(290坪) B(230坪) C(200坪) NewsA(215坪) B(145坪) MagigSt(110坪)
三面傾斜ホリゾント大型自動開閉扉設置

NewsSt副調整室
NewsSt副調整室

今回その本社建物が上岩DMCのランドマークとなる外観として竣工し、世界最高水準の放送設備を備えたグローバルMBCとして完成した。

今回の本社移転プロジェクトは2008年竣工した一山(イルサン)ドリームセンターの一年後、2009年から始まり2012年6月~2013年11月で建築音響内装工事が完成した。

上岩新社屋は10,367坪の敷地に、延べ面積45,000坪の放送コンテンツ制作施設の放送センター(9階建)、事務空間とラジオスタジオがある経営センター(14階建)、公開ホールと子会社が入居したメディアセンアー(14階建)及びDMCの活性化を導く賃貸商店街で出来上がった複合施設で構成されている。

今回のプロジェクトは韓国の音響設計施工会社であるS+E&D,CO.,LTDとの共同作業であり、弊社は音響設計と施工監理で約2年半(17回)のソウル出張業務となった。

日本で培った音響技術として、TVスタジオは傾斜ホリゾントを、ラジオスタジオとサウンドMixスタジオには弊社の柱状拡散体を採用、吸音クロス仕上ではジョイナー式差し込み方式が採用となった。音響設計及び施工監理という立場であったが、内装デザインやカラー提案等自由に提案し実施出来たプロジェクトであったことをこの場をお借りして感謝、報告させていただきます。

最後にシステム工事完成に合わせモニタースピーカ調整も無事終了し、約5年間のプロジェクトを終了しました。

竣工後の評判として、韓国内の放送局を代表するスタジオになったとのご連絡いただき大変安堵しました。

今回の音響内装施工業者は前回の一山ドリームセンターと同じ業者S+E&D,CO.,LTD及びDAEBANG G&Gが担当し、柱状拡散体のみ日本製を納品した他はすべて韓国の職人により完成しました。

建物の全体設計(デザイン)を担当した(株)Heerim総合建築士事務所、そして今回建築施工監理業務を担当したJeonin CM、Incと建物の施工を担当したHDC(Hyundai Developement Company) 現代産業開発等合あわせて関係した皆様間に深く感謝いたします。

多目的ホール(147坪)試写設備 / 稼働椅子&稼働舞台
多目的ホール(147坪)試写設備 / 稼働椅子&稼働舞台

NudeSt : 透視型ラジオSt. ドラムブース / ピアノエリア : 柱状拡散体設置
NudeSt : 透視型ラジオSt. ドラムブース
ピアノエリア : 柱状拡散体設置

RS-1~8, Mix Down&送出St.等
RS-1~8, Mix Down&送出St.等

Sound Mix×8室(5.1ch 対応×5室)
Sound Mix×8室(5.1ch 対応×5室)

Sound Mix1~7St.(効果音スタジオ設備)
Sound Mix1~7St.(効果音スタジオ設備)

AM News-1・2, FM News1・2
AM News-1・2, FM News1・2

公開ホール(公開音楽専用) 公開ホール(公開音楽専用)
公開ホール(公開音楽専用)358坪 客席 : 376席 三面傾斜ホリゾント