音響コンサルティングサービス 施設ごとのコンサルティング事例 オフィス(事務所)

調査測定と対策方針のご提案

事務所(オフィス)の音響コンサルティング

ABW(アクティビティ・ベースド・ワーキング)やwell-being(ウエルビーイング)の観点から、働く環境に対する意識が変化しています。音環境についても、"言葉の明瞭性"、"コミュニケーションの取りやすさ"、"守秘性"に加えて"快適性"、"居心地の良さ"も視野に入れたご提案を行います。

会議室が響きやすいため、オンライン会議などで会話が聞き取りづらく、コミュニケーションを取るのが難しい

会議室の内装は、壁、天井にガラスパーティションやボード塗装仕上げなどの反射性の材料が多く使用され、ほとんど吸音性の材料が使用されていないことがあります。
このようなケースでは、室容積に対して残響時間が長くなっており、天井や壁に吸音材を追加すると改善されます。
残響時間は測定することで確認でき、室容積や部屋の用途・特徴に合わせて残響時間の推奨値が定められています。その推奨値に近づけるためには、どの程度吸音材を追加すればよいかを予測計算することも可能です。
吸音材を分散配置することで音響障害となるエコーを防いだり、吸音材の特長を考慮しながら選定し、吸音する周波数のバランスを調整するなど工夫すれば、より良好な音場となります。

隣りの応接室の打ち合わせ内容がよく聞こえる

オフィスの間仕切りは床~天井のみが区画され、天井裏が空調換気設備用の空間として繋がっていることが多くあります。
このようなケースでは、実際に遮音測定を実施すると、壁からの音の透過だけではなく天井の吸排気用吸気スリットや照明器具の隙間から音が漏れてくることがあります。簡易な対策であれば、間仕切りを中心に1m程度の範囲で天井裏にグラスウールを敷くことである程度の改善は期待できます。しかし、クライアントエリアの会議室など、重要な打ち合わせをする部屋は、床スラブから天井スラブの間を区画し遮音性能Dr-40以上の遮音構造にすることが望ましいです。