音声中継車

音声中継車について

野球やゴルフなどのスポーツ中継から、音楽ライブの生中継・収録等で、現地に出向き、放送局の音声副調整室と同様の収録やミキシング、送出などの役割を担うのが中継車です。その中の音声中継車では、音声専用とすることで、狭い車両内部の空間に、レコーディングスタジオのコントロールルームと同等のモニター環境の構築が求められます。
中継車では、スタジオのように十分な遮音壁や吸音スペースを確保できないため、限られた空間の中で最大限効率の良い音響処理を施すための設計技術が必要です。また、各車輪に掛かる積載重量バランスや、内装材の制限、車両運転時の搭載機器の安全性にも十分配慮した施工方法など、建築にはない中継車の計画ならではのノウハウが必要となります。

遮音計画と空調計画

遮音構造

中継車は騒音レベルの高い屋外に駐車して使われることも多く、車両本体の外装鉄板だけでは十分な遮音を確保できませんが、車両重量の制約により、遮音補強のために建築程の重量が掛けられません。加えて、扉以外に車両設備との取り合いや通線口など、各所に遮音の弱点となる開口部が存在します。さらに、電源供給用の発動発電機(発々)が搭載される車両の場合、発々が一番の騒音振動源となるため、これらの遮音対策が設計上一番の課題となります。

空調設備

モニター室内の静けさを確保するためには、空調設備の遮音・消音計画が最も重要になります。自ら騒音源となる空調機器(室内機・室外機とも)の振動・騒音が室内へ侵入することを防ぐことはもちろんですが、外部や発々の騒音がダクトに侵入するクロストークへの遮音対策が肝要になります。
弊社では、STRATI-ARTZを用いた遮音構造シミュレーションや、Noise Visionを用いた遮音弱点部位の探索などのツールを活かして、周辺環境の条件が非常に厳しい車室内の遮音・空調計画を実現していきます。

音声中継車の室内音場設計

音声中継車は非常に狭い空間のため、室内の音響処理やスピーカの設置条件の僅かな違いが、スタジオよりも顕著にモニター音に現れるため、より詳細な音場設計が必要となります。室内の容積が極端に小さいため、スタジオに比べより高い周波数まで定在波の影響を受けやすくなります。そのため、波動音響シミュレーションを用いた室内音場解析を行うことで車両空間での問題点を洗い出し、低音域から中・高音域までバランスの取れた室内音場設計を心掛けています。そうすることで、狭い空間での長時間作業による閉塞感や圧迫感を感じさせない音場となり、最終的に音響調整のプロセスをお客様と共有しながら、ニーズに合わせた音場へと仕上げていきます。

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